フィリピンのドゥテルテ前大統領

 【マニラ共同】フィリピン中間選挙の開票の暫定集計によると、南部ミンダナオ島のダバオ市長選で12日、ドゥテルテ前大統領(80)が当選を確実にした。前大統領は容疑者の超法規的殺害も辞さない薬物犯罪対策「麻薬戦争」を巡って3月に逮捕され、オランダ・ハーグの国際刑事裁判所(ICC)に引き渡されて拘束中。地盤のダバオで同情票を集めた。

 長女のサラ副大統領は12日、前大統領が当選してもダバオを不在にしているため「副市長が市長代理を務める」との見方を記者団に示した。就任の宣誓方法は、弁護士が調整すると説明した。

 副市長には前大統領の次男で、これまでダバオ市長を務めてきたセバスチャン氏(37)が当選確実となった。

 ダバオ市長選で前大統領に票を投じたジョイス・パキスさん(60)は、ICC引き渡しについて「私たちは正当な手続きではないと信じている」と訴え、反発で「ドゥテルテ家への支持が高まった」と指摘した。

 前大統領の長男、パオロ下院議員(50)もダバオの選挙区で3選を確実にした。