2025年大阪・関西万博(アプーリア地方):プーリア州が
イタリアパビリオンで宇宙観光を紹介

 
*万博の場で将来の宇宙経済を討議

【大阪2025年5月16日ANSA=共同通信JBN】イタリアから日本まで1時間強で行くことが、ほんの数年で実現するかもしれません。

そして、その出発点はプーリア州、具体的にはタラント県グロッターリエのスペースポート(宇宙港)で、そこは準軌道宇宙飛行の発射台になる可能性があります‐これは、2025年大阪・関西万博のイタリアパビリオンにおいて多数の国際的な来賓の参加を得てプーリア州が主催した国際フォーラムイベント「Spaceports for the future space economy(将来の宇宙経済のためのスペースポート)」で討議された、多くのトピックの中の1つです。

イタリア副コミッショナーのエレナ・スガルビ(Elena Sgarbe)氏によって開幕し、Aerospace Technology District(DTA、航空宇宙技術地区)の協力を得て開催されたこのイベントは、イタリアと欧州の宇宙への自律アクセスの開発の中で、プーリア州の戦略的役割について討議することが目的でした。DTAのプレジデント兼最高経営責任者(CEO)であるGiuseppe Acierno氏は、「これは、2025年大阪・関西万博を舞台として開催される、将来のモビリティーに特化した1週間です。日本の友人たちとの関係を築く上で、プーリア州にまさる選択肢はないでしょう」と述べました。

Acierno氏は続けて、プーリア州は 「航空宇宙分野における革新のフロンティア 」であり、グロッターリエのスペースポートは 「イタリアで最初かつ唯一のもの」と強調しました。同氏はまた、この地域には「ドローンの開発に特化した最初で唯一のテストベッドと、メッツォジョールノ(南イタリア)にある欧州宇宙機関の唯一のインキュベーターがあり、Aerospace Technology Districtとつながっています」と強調しました。

また、イタリアパビリオンでは、プーリア州のプロジェクトに投資することを決めた多くの国際的な関係者・組織も紹介されています。

Global Spaceport AllianceのプレジデントであるGeorge C. Nield氏は「私たちはイタリア、特にプーリア州と協力し、ロケットの打ち上げだけでなく、生産、訓練、教育といったその他の活動を通し、スペースポートが経済にどのように貢献できるかについて、いくつかのアイデアを実行しました」と述べた上で、特にイタリアでは「私はポイント・ツー・ポイントの輸送のチャンスに熱中しています」と話しました。

そのコンセプトは革命的です:Nield氏は「私たちは、地球のある地点から別の地点へ、従来の航空機が現時点で可能な速度よりもはるかに速く移動することについて話をしています」と述べ、それを実現する技術が「すぐ近くまで来ている」と強調しました。

Space Port Japan(Space Port Japan Association)の代表理事で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の元宇宙飛行士である山崎直子氏もこれに同意しました。

山崎氏は「おそらく、私たちはお互いの教訓や教えを交換し、若い世代に向けた教育のレベルで協力できるでしょう」と述べ、スペースポート、そしてより一般的な宇宙産業のコンセプトは、「地球上のさまざまな問題を解決する可能性を広げる上で、とても重要です」と付言しました。

プーリア州のスペースポートはユニークな存在です。これは、世界には稼働中のスペースポートが40カ所余りあるものの、さらに多数のスペースポートが建設中、あるいは2030年までの完成を急いでいるという事実からもそれが分かります。

米国はスペースポートの世界的リーダーですが、欧州と日本は競争優位性を得るため、複数の商業スペースポートを開発しています。

イタリアでは、イタリア政府が同国初のスペースポートとしてグロッターリエ空港を設計しており、イタリアの民間航空局ENACは既にスペースポートの建設と活動に関する規則を承認しており、民間航空の新たな戦略的分野の推進に向け、基本的な一歩を踏み出しています。

今後の3年から4年で建設される未来的なグロッターリエのスペースポートプロジェクトでは、格納庫1棟に加え、博物館、研究センター、スタートアップ・インキュベーターを収容する多機能ビルが作られる予定です。

「Spaceports for the future space economy」イベントに出席したのは次の方々です:在日イタリア大使館のフランチェスコ・パオロ・カンニート(Francesco Paolo Cannito)参事官、ENACのGiovanni Di Antonio技術革新ディレクター、Aeroporti di Puglia SpaのPatrizio Summa特別プロジェクト・経営管理ディレクター、SPACE COTAN株式会社(北海道スペースポート)の小田切義憲代表取締役社長兼CEO、スペースワン株式会社の下瀬滋執行役員・スペースポート紀伊所長

「プーリア州のために欧州連合(EU)がPR Puglia FESRの資金と共同出資した編集イニシアチブ - FSE+ 2021-2027」

ソース:Apulia Region