16日、パレスチナ自治区ガザ境界近くのイスラエル側で展開しているイスラエル軍の車両(ロイター=共同)

 【エルサレム共同】イスラエル軍は16日、パレスチナ自治区ガザでの作戦強化に向けた準備として、大規模な空爆と地上部隊の増員を開始したと発表した。16日までのトランプ米大統領の中東歴訪中に停戦交渉で進展がなければ攻撃を拡大すると警告していた。実際に作戦の強化に踏み切れば、さらに犠牲者が増えるのは避けられない。

 複数のイスラエルのメディアは16日、同国軍が攻撃拡大に踏み切るかどうかは停戦交渉の進展次第だと報道していた。軍はガザ北部の住民に対し、南部への退避を求めるチラシを投下し、軍事圧力を一段と強めている。

 米ニュースサイト、アクシオスの記者によると、イスラエルの交渉団は17日まで仲介国カタールで交渉を続ける。これまでの交渉で大きな進展はなく「イスラエルはガザへの攻撃を正当化するために協議している」とする情報筋の話を伝えた。

 報道によると、イスラエルは約40日間の停戦や、イスラム組織ハマスが拘束する人質10人と遺体の返還を要求。ハマスは恒久停戦を求めている。