イラクの首都で開催されたアラブ連盟の首脳会議=17日、バグダッド(AP=共同)

 【カイロ共同】アラブ連盟は17日、イラクの首都バグダッドで首脳会議を開いた。イスラエル軍とイスラム組織ハマスの戦闘が続くパレスチナ自治区ガザや昨年12月にアサド政権が崩壊したシリアの情勢などが主要議題とみられる。エジプトのシシ大統領は演説で、トランプ米大統領に対しガザ停戦を実現するための努力を求めた。

 イスラエル軍はガザでの攻撃を拡大。人道状況の悪化も懸念されている。シシ氏は、ガザが「広範囲に及ぶ破壊にさらされている」などと指摘し、イスラエルが飢餓を武器として利用していると主張した。

 演説したパレスチナ自治政府のアッバス議長は、ガザで「ジェノサイド(民族大量虐殺)、破壊、飢餓」に直面していると訴えた。恒久停戦や人道支援物資の搬入確保、イスラエル軍のガザからの撤収などを含む政治ビジョンを示し、支持を求めた。

 シリア暫定政府のシェイバニ外相は演説で、トランプ氏が対シリア制裁を解除する方針を示したことについて「国の復興と再建に向けた重要なステップ」だと述べ、歓迎した。