「位置情報を交際相手と共有している」と話す高校生のジェマさん(左)とアシュリーさん=16日、オーストラリア・シドニー(共同)
 スマートフォンの位置情報共有アプリ(共同)

 【シドニー共同】スマートフォンのアプリによって自分の位置情報を、恋人や配偶者が常時監視できる状態にすることについて、オーストラリアの若者の5人に1人が「当然だ」と答えたことが政府機関の調査で明らかになった。位置情報の共有は待ち合わせや安全確認に役立つほか、若者の間では「正式に交際をスタートした証し」と捉える向きもあるという。一方、疑心暗鬼になって交際相手の行動の自由を奪う“デジタル束縛”につながる懸念も指摘される。

 日本では2021年、改正ストーカー規制法が施行され、相手の承諾のない位置情報取得が規制対象に加わった。

 オーストラリアの規制当局は18歳以上の男女約2千人を調査。「『愛』が支配に変わる時」と題した報告を15日に公表した。

 調査は「親密な関係にあるパートナーが位置情報共有アプリを使って、あなたを好きなときにいつでも追跡するのは当然であると期待するのは正当か」と質問。「強くそう思う」「そう思う」と回答した人が全年代で13・6%に上った。うち18〜24歳は18・6%と割合が高かった。