参院予算委の集中審議で答弁する石破首相=19日午前

 石破茂首相は19日の参院予算委員会集中審議で、トランプ米政権との関税交渉を巡り「期限は念頭に置くが、期限に拘泥するあまり、国益を損なうようなことをするつもりはない」と述べた。自動車を含めた米国の高関税政策は受け入れられないとし「不退転の決意で臨む」とも強調した。

 対米交渉を担う赤沢亮正経済再生担当相は「日本の農業を犠牲にしない」と説明した。

 江藤拓農相は、高騰するコメ価格の安定に向け実施している政府備蓄米の放出に関し「国民の期待する結果が出せておらず、大変重く責任を感じている」と陳謝し、備蓄米が行き渡るよう指導監督を強めるとした。

 立憲民主党の打越さく良氏は、国会提出が大幅に遅れた年金制度改革法案について、参院選を控えた自民党参院を中心に慎重論が根強かったことを念頭に「自民の都合で遅らせたのではないか」と追及。首相は「自民の都合ではない」と反論した。

 政府が基礎年金(国民年金)の底上げを見送ったことに関し「賛否両論あり、結論を得るには多少の時間がかかる」と指摘、理解を求めた。