二酸化炭素吸収のイメージ

 新たな地球温暖化対策として期待される「ブルーカーボン」の拡大に向け、沖合で海藻類を育てて二酸化炭素(CO2)を吸収させ、深海に沈めて貯留する技術開発に政府が着手することが19日、関係者への取材で分かった。環境省は海洋研究開発機構や石油元売り最大手のENEOS(エネオス)などに海藻類の深海での挙動や環境への影響調査を委託する。

 ブルーカーボンは主に海の生態系が光合成でCO2を取り込み、海底に蓄積される炭素を指す。

 政府は2050年までに温室効果ガス排出量の「実質ゼロ」を目指している。2月に閣議決定した地球温暖化対策計画では、吸収能力を高める大規模な藻場造成の検討が盛り込まれており、調査は取り組みの第一歩。

 沖合の藻場では、網などに固定したコンブやワカメなどを海上付近に浮かべて養殖する。ブルーカーボン創出には、海藻類が光合成でCO2を取り込んだまま、海底に沈めて堆積させることが重要となる。微生物に分解されると炭素が海水中に戻るため、調査では水深数百メートルに沈めた海藻類が分解されるかどうか調べる。