国連のグテレス事務総長=3月、ブリュッセル(AP=共同)

 【ニューヨーク共同】国連のグテレス事務総長が、横浜市で開催予定のアフリカ開発会議(TICAD)や大阪・関西万博の行事に出席するため、8月後半に日本を訪問する方向で日本政府と国連が最終調整していることが20日、分かった。複数の外交筋が明らかにした。原爆投下から80年を迎える広島、長崎の両被爆地訪問は見送る方向。滞在中に「核なき世界」や戦後80年の「復興」に触れた演説を行うことを検討している。石破茂首相との会談も予定する。

 被爆地に代わり、京都への訪問が浮上している。京都市の清水寺などが「古都京都の文化財」として国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産に登録されている。また、気候変動対策に力を入れるグテレス氏にとって京都は、温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」の前身で1997年に採択された京都議定書の舞台。2030年までの達成が危ぶまれている「持続可能な開発目標(SDGs)」への協力を呼びかけるのにふさわしい場所だとの考えがある。