石破茂首相は20日、コメを買ったことがないと発言した江藤拓農相を続投させる意向を明言した。官邸で記者団に「コメの価格高騰にきちんと答えを出すことが農相の今の仕事だ。答えを出してもらいたい」と述べた。「消費者や、生産者の方々に極めて申し訳ない。任命権者として責任は痛感している」とも語った。首相は問題の幕引きを図る考えだが、世論の批判が収まらなければ、6月の東京都議選や夏の参院選を控えた与党内で不満が高まるのは確実。野党は追及を強める。
首相は、消費者や国民の理解を得るため、誠心誠意謝罪することが重要だと強調。江藤氏は記者会見で、コメ高騰対策を巡り「最後まで責任を取る形でやらせていただきたい」と述べ、職務を続ける意向を改めて示した。
公明党の西田実仁幹事長は、自民党の森山裕幹事長と東京都内で会談し、江藤氏の発言について「極めて不適切だ」と抗議した。同席者が記者団に明らかにした。
江藤氏は18日に佐賀市での講演で、価格高騰が続くコメに関し「買ったことありません」と発言した。