【ニューヨーク共同】国連総会は20日、昨年12月に採択された北朝鮮の人権侵害を非難する決議に基づき、北朝鮮の人権状況を協議する会合を開いた。日本の山崎和之国連大使は、拉致被害者を即時帰国させるよう北朝鮮に求めた。北朝鮮の金星国連大使は、欧米各国が人権を政治的に利用して北朝鮮をおとしめようとしていると反論した。
会合では、人権弾圧や生活苦を理由に北朝鮮から逃れた脱北者も演説したが、金氏は「親や家族も顧みない、ろくでもない人間」だと非難。米国や韓国から支援を受けて証言を「捏造」していると主張した。日本人拉致被害者には直接言及しなかった。
山崎氏は、13歳で拉致された横田めぐみさんと89歳になった母早紀江さんの名前を挙げ「被害者の家族は高齢化が進んでいる。時間はない」と語り、一刻も早い解決を求めた。
会合では米国や韓国の代表も北朝鮮による拉致や人権侵害を批判した。一方でロシア代表は、会合は「対立を激化させるだけだ」と北朝鮮を擁護した。