基礎年金底上げのイメージ

 石破茂首相は21日の党首討論で、年金制度改革法案の修正に向け、立憲民主党と協議する意向を表明。立民の野田佳彦代表が修正協議を提案し、首相は「第1党、第2党の責任で結論を得る努力をしていきたい」と応じた。修正協議は22日に始まり、公明党も加わる。政府が見送った基礎年金(国民年金)底上げについて、立民が主張する将来的な実施を法案に明記するかどうかが焦点となる。

 底上げは、就職氷河期世代などが低年金に陥るのを防ぐ対策の一環。改革の目玉だったが、会社員らが入る厚生年金の積立金を活用することなどから、夏の参院選への影響を見据えた自民党内で異論が出たため、見送った。野田氏は「自民が参院選での批判を恐れ政権党としての責任逃れをした」と批判した。

 厚生労働省の推計によると、過去30年と同様に経済の低成長が続いた場合、対策を講じなければ基礎年金の給付水準は2057年度に3割下がる。これに対し首相は「経済が順調に推移した場合は基礎年金の水準はおおむね維持される。まずはその実現に全力を挙げる」と強調した。