記者会見する元住職=21日午後、大阪市北区

 四国地方にある天台宗の寺で長年性暴力を受けたとして尼僧が60代の住職(当時)を告発した問題を巡り、元住職が21日、大阪市内で記者会見した。既婚者と知りつつ尼僧と生活したとして同宗審理局から罷免決定を受けたことについて「多大なご心配をおかけして、誠に申し訳ない」と謝罪。性暴力については改めて否定した。

 尼僧叡敦さんは昨年1月、親族の大僧正から紹介され住み込みをしていた寺で、元住職から「逆らうと地獄に落ちる」と脅されて、性暴力を受けたと告発した。天台宗務庁(大津市)は同11月、懲戒事案の審判を担う審理局に懲戒審理を請求、今年4月、元住職を免職に当たる「罷免」、加害を助長したとされた80代の大僧正を処分なしとする決定が確定した。

 元住職側は性暴力を否定。処分理由は、叡敦さんが既婚者だと知りながら夫婦同然の生活をしたためとし、性暴力は認定していない。審理局が性暴力を認定しなかったことに「正しく判断していただいた」と述べた。