小泉進次郎農相は21日、農林水産省で開いた就任の記者会見で、備蓄米放出について「需要があれば無制限に出す」との方針を表明した。スーパーなど幅広い業種に備蓄米を直接売り渡す考えも示した。今月下旬に予定していた備蓄米の4回目の入札は中止する。

 入札中止は、石破茂首相が備蓄米放出の手続きを随意契約に見直すよう指示したことを受けた措置。高止まりするコメ価格について「消費者に安定した価格で供給できるように全力を尽くす」との決意も表明した。

 随意契約の制度設計については、詳細を検討中だと説明した。コメ価格を巡り「高騰に対する不安や生活の苦しさは非常に大きいと思う」と強調。コメの価格抑制が「政治の最大の課題」と訴え、「価格が下がったという実感を皆さんに持っていただけるようにしたい」と話した。

 小泉氏は長年続いたコメの減反(生産調整)の影響が、減反政策廃止後も生産者らの心理に根深く残っていると指摘した。コメの生産不足が価格高騰を招いたとの見解を示し、農家の生産意欲を高めることが重要だと強調した。