国と地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス、PB)に関し、政府がこれまで2025年度としていた黒字転換の目標時期を「25年度から26年度」と幅を持たせた形に改める方針であることが21日、関係者への取材で分かった。財政健全化に向けた目標時期は事実上後退する。6月にもまとめる経済財政運営の指針「骨太方針」に記載する方向で、与党と調整を進める。
米トランプ政権の関税政策で国内景気の悪化懸念が高まっており、今後の法人税収などの減少や、大型経済対策による歳出が膨らむ可能性も考慮したとみられる。
PBは、社会保障や公共事業といった経費を税収などでどの程度賄えているかの指標。昨年6月に閣議決定した前回の骨太方針では、25年度に黒字化する目標を示していた。ただ石破政権で昨年12月に成立した補正予算に伴う経済対策で歳出が増大。内閣府は今年1月、25年度の収支は4兆5千億円の赤字になるとの試算を公表していた。この試算では26年度は黒字化を予想していた。