22日、北朝鮮咸鏡北道清津の造船所で、海面に横倒しになり青いシートのようなもので覆われる新たに建造された5千トン級の駆逐艦の衛星画像(Airbus Defence and Space/the Open Source Center提供、共同)

 【北京共同】北朝鮮メディアは23日、北東部の咸鏡北道清津で5千トン級の駆逐艦の進水に失敗した21日の事故に関し、事故調査グループが本格的な調査を始めたと報じた。駆逐艦の損傷は当初想定されたほど深刻ではなかったが、朝鮮労働党の中央軍事委員会が厳正な処分を指示。司法機関は責任者を拘束する手続きに着手した。

 中央軍事委のトップは金正恩党総書記で、目前で起きた事故に怒りが収まらない様子だ。

 駆逐艦の損傷を確認した事故調査グループは、船底に穴は開いておらず、一部で浸水しているが深刻な状況ではないと報告した。だが中央軍事委は「今回の事故が許されない犯罪行為だという事実は変わらない。責任者の罪は絶対にうやむやにできない」と一蹴。責任者の摘発を指示した。

 英国の研究団体「オープン・ソース・センター」がX(旧ツイッター)に投稿した22日の衛星画像によると、海面に向かって横倒しになる駆逐艦の周囲では、進水式で散布されたとみられる色とりどりの装飾が大量に浮遊していた。