取材に応じるフィンランドのバルトネン外相=22日、ヘルシンキ(共同)

 【ヘルシンキ共同】北欧フィンランドのバルトネン外相は22日、首都ヘルシンキで共同通信の単独会見に応じた。4月に表明した対人地雷禁止条約(オタワ条約)からの離脱方針は、周辺国への軍事的圧力を強める隣国ロシアとの地上戦に備えるためだと説明し、「北大西洋条約機構(NATO)全体のために国境を守る責任がある」と強調した。

 ロシアと国境を接するフィンランドはウクライナ侵攻を継続するロシアの脅威拡大から、ポーランドやバルト3国に続いてオタワ条約離脱を宣言した。ラトビアでは既に議会承認されており、各国で離脱の「雪崩」が起きるのではないかとの懸念が寄せられている。

 バルトネン氏は、ロシアがウクライナで無人機攻撃と同時に自国の人命を顧みない戦い方を続けていると指摘。「現代の戦争では地上戦力は縮小されると思われていたが、比重を低下させていない」と述べ、フィンランドも抑止力として対人地雷を活用する必要があると訴えた。

 フィンランドではまもなく離脱に必要な法案が議会に提出される見通しだ。