和歌山県白浜町のレジャー施設「アドベンチャーワールド」は23日、中国への返還が決まった全4頭の雌のジャイアントパンダについて、日本からの出発が6月28日に決定したと発表した。返還後、国内で飼育されるパンダは上野動物園(東京都台東区)の2頭のみとなる。

 返還されるのは、24歳の良浜を筆頭に、その子の結浜(8)、彩浜(6)、楓浜(4)。検疫期間に入るため、屋外運動場での展示は今月25日までとなる。

 26日からはガラス越しの展示となり、6月27日には旅立ちを祝うセレモニーを開催。同28日にアドベンチャーワールドを出発し、中国・四川省の「成都ジャイアントパンダ繁育研究基地」に返還される。

 アドベンチャーワールドは1994年、パンダの保護に関する共同プロジェクトを中国側と開始し、雄の永明など2頭が来園。永明は16頭の子をもうけた。

 永明が2023年に帰国して以降、アドベンチャーワールドで暮らすパンダは雌だけになっていた。繁殖のため、県幹部が訪中して雄の貸与を要望するなど、中国側へ働きかけてきた。