大相撲夏場所で優勝を果たし、横綱昇進が決定的となった大関大の里の地元・石川県は23日、喜びに沸いた。昨年の能登半島地震で被災した祖父は「地震で苦しむ人に光を与えてくれた」と活躍をたたえ、小学校時代の恩師は「子どもたちの希望だ」と声を弾ませた。
地震による液状化で自宅が壊れ、内灘町の仮設住宅で暮らす祖父坪内勇さん(76)は「地震で苦しんでいた石川の人に光を与えてくれた。会ったら、頑張ったなと声をかけたい」とねぎらった。
同県出身の力士には、優勝14回を誇る昭和の名横綱・輪島がいる。坪内さんは「今後、比較されるのかな。どれだけ優勝回数を重ねられるか。自分が横綱だという風格を持ってほしい」と、角界の頂点に立つ孫のさらなる活躍に期待を込めた。
出身地・津幡町の町役場のパブリックビューイング(PV)には住民ら約350人が集まり「がんばれ!!大の里」と書かれたプラカードを手に大関琴桜との取組を見守った。寄り切りで勝つと、一斉に立ち上がり「やったー」と歓声を上げた。