トランプ米大統領(右)の話に耳を傾ける実業家イーロン・マスク氏=2月11日、ワシントン(ロイター=共同)

 【ワシントン共同】昨年11月の米大統領選で多額の献金をしてトランプ大統領の当選を後押しした実業家イーロン・マスク氏が、今後は政治献金を大幅に縮小させると表明した。政権要職に起用され、連邦政府の組織再編や職員削減を進めたが、強引な手法に批判が噴出し、好感度は低下。「陰の大統領」と呼ばれるほど強まった政治色を拭おうとしているようだ。

 「もう十分にやった」。マスク氏は今月20日、オンライン参加した中東カタールの経済フォーラムで、2026年の中間選挙で昨年の大統領選のような政治献金はしないと説明した。当面は、EV大手テスラの最高経営責任者にとどまる意向を示し、企業経営に軸足を置く姿勢を強調した。

 マスク氏は大統領選に際し、トランプ氏や共和党を支援するため約2億5千万ドル(約356億円)以上を献金したとされる。トランプ氏は「特別な天才」と評し、新組織「政府効率化省」を任せ、政権内で影響力は急拡大した。

 一方、各種世論調査でマスク氏の好感度はトランプ氏を下回り、テスラの株価急落や不買運動を招いた。