【北京共同】中国の習近平国家主席とロシアのプーチン大統領がモスクワで8日に行った首脳会談で署名した共同声明で、外交当局者らによる事前調整時に中国側の要請によって、日本を軍事・経済面でけん制する文言を削除していたことが分かった。外交関係筋が25日明らかにした。習指導部はトランプ米政権に対抗するため、ロシアとの蜜月関係を深める一方、日本との関係も重視している。日本を過度に刺激しないよう外交的なバランスに腐心し、難しいかじ取りを迫られている実態が浮き彫りになった。
関係筋によると、当初の共同声明案では「両国が軍事的な相互信頼と協力をさらに深化させ、合同軍事演習の活動規模と範囲を拡大し、『北東アジアの安全を維持し』、定期的に海上と空中での合同パトロールを行う」としていた。しかし、中国側の要請にロシア側が応じる形で「北東アジア」に言及した一節が削除された。日本が周辺地域での中ロ軍事協力の拡大に懸念を強めていることに配慮した。