オランダパビリオン政府副代表のアイノ・ヤンセンさんが記者に送った、敬称に「san」を使ったメッセージ(下)
 取材に応じるオランダパビリオン政府副代表のアイノ・ヤンセンさん=大阪市此花区の夢洲

 大阪・関西万博に出展する海外パビリオン関係者と日本側のやりとりで、名前に「san(さん)」を付けて呼ぶコミュニケーションが“共通言語”として広まっている。一定の敬意を表せる上、相手の性別や肩書を問わない使い勝手の良さが評判で、日本国際博覧会協会(万博協会)の関係者は「それぞれの国に帰ってからも使ってほしい」と期待を寄せる。

 「〜さん、どうぞ」。3月中旬、各国や万博協会の数百人が参加したオンライン会議。英語での質疑応答が続く中、司会者が海外パビリオンの関係者に発言を促した。これまで日本人が関係する外交やビジネスの世界で使われてきたsanが、万博では公的な会議でも頻繁に使われるようになっている。

 外交官として世界各国で勤務した経験があるオランダパビリオン政府副代表のアイノ・ヤンセンさんは「オランダ語、英語やスペイン語でも、敬意を表する場合には年齢の上下や性別で呼称を使い分ける。日本文化はオランダで人気があるので、気に入って広める人がいるかも」と語った。