岐阜市周辺などで、ちょっとかわいい農産物の無人販売小屋が登場しています。パステルカラーに塗られていたり、三角屋根だったり、人目を引くこの小屋、オーダーメードの木造住宅を手がけるプロの大工さんが無償で作っています。「大工と農家さん、実はよく似ているんです」。かわいい無人販売小屋、今の社会課題を解決するための大工さんなりの挑戦でした。

梅津貴将さん。左の小屋の屋根や壁は野菜の苗ポットを重ねた=岐阜市

 仕掛け人は梅津建築(岐阜市柳津町上佐波)の代表、梅津貴将さん(48)です。大野町出身の梅津さん、郡上市で建築の修行をし、22歳で創業しました。木造の注文住宅を造っています。

 昨年の秋ごろから無人販売小屋を造るようになりました。これまでに十数棟手がけ、岐阜市や笠松町、愛知県で使われています。

 ◆廃材を利用して無料

 プロの大工さんが造るだけあって、値段が気になりますが、実はなんと無料。「材料は廃材で、製材屋さんからもらったり仕事で残ったりした木材を使っています。仕事の合間に1、2日ほどかけて造っています」。それでもプロの知識と技能が込められ、販売すればそれなりにするであろう小屋。それを、なぜタダで?

 「農業にお金が入る仕組みが必要だと思うからです」。...