4月25日、実親調査などについて記者会見する江蔵智さん=東京・霞が関の司法記者クラブ

 東京都は28日、都立墨田産院(閉院)で1958年の出生直後、他の新生児と取り違えられた江蔵智さん(67)の実親調査に関し、墨田区から「戸籍受付帳」の写しの提供を受けたと明らかにした。江蔵さんと同時期に生まれた人の情報が記録されており、産院のカルテが散逸した中で、唯一の手がかりとされていた。

 都によると、受付帳では200人超の氏名、本籍などを確認できる。今後、性別や現住所などを調査し、取り違えの可能性がある相手を絞り込む作業に着手する。

 その上で江蔵さんの母親との関係を調べるため、DNA型鑑定への協力を依頼するが、相手が拒否した場合は鑑定は実施できないという。