【ジュネーブ共同】スイス南部バレー州で28日、氷河が崩落して大規模な土砂崩れが発生した。地元メディアによると、麓の集落の90%が岩や砂にのみ込まれた。住民約300人の多くは地元当局の警告により既に避難していたが、60代の男性住民1人が行方不明となっている。

 地元メディアは、バレー州ブラッテンにある谷間の集落で、地滑りとともに大量の土煙が上がる空撮映像を放映。崩れた氷河や土砂は約300万立方メートルとみられる。スイス政府は救助のため軍を派遣した。

 バレー州はイタリアと国境を接し、マッターホルンなどの山々で知られる。近年の地球温暖化により、アルプスの氷河は急激な後退が指摘されている。