調査結果について記者会見する再調査委員会の濱口佳和委員長(中央)=28日午前、千葉県野田市

 千葉県野田市で2019年、市立小6年の男子児童が自殺した問題で、市の再調査委員会は28日、いじめが自殺の主要因とする報告書を市に答申し、要旨を公表した。21年に提出された第三者委員会の報告書は、いじめを認定したが、自殺の主な要因と判断せず、遺族が再調査を求めていた。

 21年の報告書は、男児が同級生から席を離されるなど5件のいじめを認定。一方で「思春期にしばしば見られるありふれた行為」とし、自殺の主な要因とは判断できないと結論付けた。

 再調査では5件に加え、同級生から無視されたことをいじめと認定。男児がノートに「むしされる」「さけられる」「自殺したい」とつづっていた点などを重視し「いじめがなければ自殺に至ることがなかったと言え、直接的な因果関係が認められる」とした。

 再調査委委員長の濱口佳和筑波大教授(心理学)は記者会見で「前調査委ではノートの作成時期が不明として積極的に評価せず、記載内容について遺族の意見を聞かなかった」と異なる結論となった理由を説明した。