2024年7月、熱波の中、ミストを浴びて涼む人たち=米ラスベガス(AP=共同)

 【ジュネーブ共同】世界気象機関(WMO)は28日、世界の年間平均気温について、観測史上最高だった2024年の記録が25〜29年の間に80%の確率で更新されるとの予測を発表した。各地で既に危険な熱波や豪雨に見舞われているが、より深刻な影響を社会や経済に及ぼしかねないと警鐘を鳴らした。

 気候変動対策の国際枠組み「パリ協定」は、産業革命前の水準に比べ、気温上昇を長期的に1・5度に抑えるとの目標を設定。1・55度上昇した24年は、単年で目標値を初めて超え、記録が残る1850年以降で最も暑い年となっていた。

 WMOによると、25〜29年の1年ごとの平均気温は産業革命前と比べ1・2〜1・9度高くなる。5年間の平均気温の上昇が1・5度を超える可能性は70%とし、昨年時点の予測から大幅に引き上げた。次の5年間で1・5度を超える年がある可能性は86%と高く、1%の確率で2・0度以上の上昇が起こり得るとした。

 気温上昇の加速傾向により、北極圏に近いベーリング海やバレンツ海で海氷の面積がさらに減少するとも見通した。