【ロンドン、北京共同】米中両国は9日、ロンドンで閣僚級の貿易協議を開いた。関税の大幅引き下げなどに合意した5月のスイス・ジュネーブでの会合に続き2回目。合意後も対立があった中国のレアアース(希土類)の輸出規制などが議題になるとみられ、貿易摩擦の解消に向けて前進するかどうかが焦点となる。
米側はベセント財務長官、ラトニック商務長官、通商代表部(USTR)のグリア代表が出席。中国は初回に続き、何立峰副首相が参加する。トランプ大統領と習近平国家主席は5日、約1時間半にわたって電話会談し、5月合意の履行を確認。閣僚級協議を再び開くことで一致していた。
レアアースはスマートフォンやパソコン、自動車などの製造に欠かせない材料で、中国が世界生産量の約7割を占める。中国が4月、トランプ政権の「相互関税」への報復の一環として7種を輸出規制の対象に加え、米国だけでなく日本を含む世界各地の生産現場に影響が広がっている。