ウィーンのIAEA本部

 【ウィーン共同】国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長は9日、定例理事会での報告で、北朝鮮北西部寧辺で、平壌近郊カンソンにある核関連施設と似た特徴を持つ新たな施設が建設されていると述べた。北朝鮮の核開発に改めて深い遺憾の意を表明した。

 外交筋によると、日本などは今回の理事会で、北朝鮮の核開発の動きに懸念を示す共同声明を出す方針。北朝鮮メディアは今年1月、金正恩朝鮮労働党総書記が核物質生産基地と核兵器研究所を視察したと報じた。

 一方、グロッシ氏は9日、シリア暫定政府がIAEAによる核関連施設の査察を認めたと明らかにした。アサド独裁政権時代の核関連活動の実態を解明することが目的。グロッシ氏は記者会見で「非常に重要なことだ」と指摘。今年末か来年初めまでに査察を終えたいとの展望を語った。

 IAEAによると、シリアのシャラア暫定大統領は4日のグロッシ氏との会談で、施設へのIAEAチームの「即時かつ無制限の立ち入り」を認め、既に一部の査察が実施された。