オーストラリア海軍の潜水艦=2021年9月、オーストラリア・ダーウィン(同国軍提供、ゲッティ=共同)

 【ワシントン共同】英紙フィナンシャル・タイムズ電子版は11日、トランプ米政権が英国、オーストラリアとの安全保障枠組み「AUKUS(オーカス)」の柱である原子力潜水艦のオーストラリア配備計画の見直しに着手したと報じた。実際に計画の変更や破棄に踏み切れば、中国の軍事的脅威に対抗する米英豪の協力態勢に大きな影響を及ぼしそうだ。

 計画はバイデン前政権下の2021年9月に、3カ国の首脳間で合意。米国防総省は報道を受け「前政権の政策がトランプ大統領の『米国第一』政策と整合しているかどうか確認している」とコメントした。

 米議会ではトランプ氏を支える共和党を中心に、オーストラリアに原潜を供給すれば自国の配備数が減り、台湾有事などへの対応で支障が出かねないとの警戒感がある。

 計画見直しを主導しているとされる国防総省ナンバー3のコルビー政策担当次官は就任前の昨年8月、X(旧ツイッター)で、米国の原潜保有数が減るのは「おかしい」として、オーカスの在り方に疑問を呈していた。