被爆の悲惨さを描いた故丸木位里・俊夫妻の連作絵画「原爆の図」の第2部「火」が修復を終え13日、埼玉県東松山市の原爆の図丸木美術館に約2年ぶりに戻った。15部ある「原爆の図」のうち14部を所蔵する同館で展示がそろった。うち2部は外部に一時貸し出し予定があるが、9月28日からの改装のための長期休館まで観覧できる。
今回修復された第2部は、びょうぶ2枚で構成され、縦1・8メートル、横7・2メートル。米軍による広島への原爆投下直後、炎に包まれる人々を描いた。愛知県立芸術大が、傷や虫食い、経年劣化による傷みを修復した。被爆地でさまよう人々を描いた第1部「幽霊」も同大学で修復された。