拉致被害者の松木薫さんの早期帰国に向けて署名を呼びかける弟の信宏さん(右)=13日午後、熊本市中央区

 北朝鮮による拉致被害者で熊本市出身の松木薫さん=失踪当時(26)=の早期帰国の実現を日本政府に求めようと、被害者家族や支援者らは13日、同市内で署名活動を行った。この日は松木さんの72歳の誕生日で、弟の信宏さん(52)は「一刻の猶予もない。どうにか助けたい」と訴えた。

 通行人が行き交う商店街で、信宏さんは一人一人に用紙を手渡していた。署名した熊本市南区の40代男性は「政府はもっと強気に交渉してほしい」と話した。署名は約550人分集まり、近く政府に送付する予定だ。

 松木さんは1980年、留学先のスペイン滞在中に消息を絶った。北朝鮮は2002年に拉致を認めた。