13日、米ロサンゼルスで連邦庁舎の警備に当たる海兵隊員(ゲッティ=共同)

 【ロサンゼルス共同】照準器付きのライフル銃を手にした兵士たちが鋭い眼光を光らせた。13日、不法移民摘発を巡る抗議デモに対応するため、海兵隊が初展開した西部ロサンゼルスの連邦庁舎前。数時間で集まったデモ参加者はわずか数人だった。「さらなる混乱を招くだけだ」。軍投入の必要性を疑問視する声が上がった。

 星条旗が揺れる連邦庁舎敷地で、数人ずつのグループを組んだ迷彩服姿の海兵隊員は、指をライフル銃の引き金付近に当てた状態で周囲を見回していた。これまで警備に当たっていた州兵と比べ「臨戦態勢」ぶりが目を引く。

 庁舎周辺には住宅地や飲食店が広がっている。「この平和な街に海兵隊は釣り合わない。緊張がエスカレートするだけだ」。抗議に駆け付けた無職ジェーン・プリーストさん(66)は、警察だけで対応可能なのに、トランプ大統領が混乱をあおろうとしていると批判した。

 音楽家の女性は「税金の無駄遣いだ。海兵隊はこんなことよりも紛争地の子どもを助けるべきだ」と訴える。