選択的夫婦別姓制度を導入する民法改正案の審議が国会で進むが、成立は見通せない。民主党政権で法相を務め、導入を推進した千葉景子氏が取材に応じ、「あきれて物が言えない。かみ合わない議論を続けている」と批判した。法改正を果たせなかった法相時代に関しては「非常に心残り。力のなさを感じた」と振り返った。
民主党の政策である選択的別姓の実現を確信し、当時の福島瑞穂男女共同参画担当相と導入を推進。しかし、連立を組む国民新党の亀井静香代表ら反対派に阻まれ、法案提出すらできなかった。
「せっかくのタイミングなのに、できないのか」。無力感に包まれ、責任を感じたが「種はまいてきた。時代が進めばきっと実現する」との思いを抱いてきた。
昨年6月、経団連が早期実現を求める提言を公表し、時機到来との感慨も。だが、自民党が今国会で結論を出すのは困難との見方を示し、野党も連携できずに各党で独自法案を提出、いずれも成立に至らない情勢だ。
千葉氏は改めて制度が必要だと訴え「嫌な人はやらなくていい。いろんな形でということ」と強調する。