ロンドンで開かれた英国の学生らとの交流会で、被爆体験を語る飯田国彦さん(右から2人目)と八幡照子さん(右端)=15日(共同)

 【ロンドン共同】広島の被爆者の八幡照子さん(87)と飯田国彦さん(82)が15日、英国の学生らとロンドンで交流し、被爆の実相を伝えた。被爆から80年。八幡さんらは「過去を教訓に未来を見よう」と強調し、若い世代が「核廃絶に力を入れ、平和を築いていってほしい」と訴えた。

 被爆当時、八幡さんは8歳、飯田さんは3歳だった。飯田さんは「数万の人々が遺骨もなく、白い灰になって吹き飛ばされた」と原爆の破壊力のすさまじさを証言。八幡さんも「男女も分からず、のたうち回って死んでいった」と振り返った。

 原爆投下への憎しみはあったが、八幡さんは「負の遺産を教訓に立ち上がり、頑張っている。恨みを希望に変えていきたい」と強調。核軍拡の懸念が膨らむ中「夢を託す子どもたちの未来に核兵器は絶対に使われてはいけない」と訴えた。

 非核保有国の役割について、八幡さんは「市民レベルで核廃絶のうねりをつくり、政府に迫っていかなくてはならない。粘り強い対話が必要」と指摘。飯田さんも「ひたすら平和を求めていくことが大事だ」と語った。