新型コロナウイルス対策の給付金の対象から性風俗事業者を除外したのは憲法違反だとして、デリバリーヘルス(派遣型風俗店)を経営する業者が国などに損害賠償などを求めた訴訟の上告審判決で、最高裁第1小法廷(宮川美津子裁判長)は16日、違憲ではないとして業者の上告を棄却した。裁判官5人中4人の多数意見。業者敗訴が確定した。宮川裁判長は「憲法に違反する」との反対意見を付けた。
第1小法廷は「国は政策的見地から給付対象者の範囲を決めることが許される」とした上で、業態に照らし「公費を支出してまで事業継続を支えるのは相当でないと判断し、除外したことは不合理とは言えない」と指摘した。
判決によると、国はコロナ禍で経営に打撃を受けた事業者の救済措置として、持続化給付金と家賃支援給付金の支給を決めたが、性風俗事業者は対象外とした。業者側は憲法の定める法の下の平等や職業選択の自由に反すると主張していた。