大手スーパーマーケット「ロピア」(川崎市)が納入業者に対し、商品陳列作業などのため無償の従業員派遣を要請した疑いがあるとして、公正取引委員会は16日、独禁法違反(優越的地位の乱用)の疑いで、同社本部などに立ち入り検査した。取引実態を詳しく調べる。関係者への取材で分かった。
ロピアは「今回の事態は弊社の認識の甘さに起因するものであり、深く反省している。再発防止に向けた実効性ある是正措置の策定と実行に全力で取り組む」とのコメントを発表した。
関係者によると、ロピアは遅くとも2022年ごろから新規出店や店舗改装時、取引上有利な立場を利用して納入業者に従業員の派遣を要請し、日当や交通費を支払わず、他社製品を含む商品の陳列や補充作業を手伝わせた疑いがある。
ロピアは大容量・低価格の商品の販売や、他の小売業が撤退した店舗をそのまま利用する「居抜き」出店などの低コスト経営に力を入れていることで知られる。東京商工リサーチによると、取引先の業者は約1100社に上るとされる。