イラン・テヘランで上がる煙=13日(AP=共同)

 【テヘラン共同】イスラエル軍による13日未明のイラン先制攻撃を巡り、イラン軍事筋は15日、共同通信に対し、電磁波を用いてレーダーなどの防空システムをかく乱させる「電子戦」が先制攻撃直前に仕掛けられたと明らかにした。イスラエル支援を目的とした英米両国による電子攻撃とみられ、イランはイスラエル軍の攻撃への対処が的確に実施できず、被害が想定以上に拡大した可能性がある。

 軍事筋によると、イランはイスラエル軍の攻撃を受ける約2時間前、防空システムや監視用ドローンが電子攻撃を受けていると察知。状況は体制内の上層部に共有されたが、同様の妨害を米国から頻繁に受けてきたとして、差し迫った異常事態とは捉えなかったとみられる。

 その後のイスラエル軍による攻撃では、最重要施設とされる中部ナタンズのウラン濃縮施設が空爆に遭った。さらに革命防衛隊トップのサラミ司令官や軍のバゲリ参謀総長、多数の核科学者が殺害された。

 イランは翌14日、ペルシャ湾の領海近くで妨害電波を発信する英軍の船舶を発見、威嚇射撃で立ち去らせた。