例年、豪雨災害が相次ぐ6月末から7月にかけての梅雨末期が迫っている。国土交通省の統計では2011〜20年、全国1741の基礎自治体のうち、水害や土砂災害に遭った自治体は約98%の1700に上る。災害を「自分事」として備えることが求められており、被災を見据え、自治体が情報を発信したり、民間企業と連携したりする取り組みが広がっている。
福岡県庁では5月「今年の大雨対策」展が開かれた。ロビーで簡易トイレやレトルト食品などの備蓄品を展示。過去の被災状況や教訓をまとめたパネルに目を向ける来庁者の姿も見られた。
17年の九州北部の豪雨以降、県内では大雨特別警報が全国最多の6度発令され、豪雨被害が頻発している。防災担当者は「自分で身を守る行動を考えるきっかけになってほしい」と語った。
災害をいつか来るものととらえ、自治体と企業が提携する枠組みづくりも進む。内閣府の調査では23年時点で、全国の土木・建設業者988社のうち8割以上が行政機関と災害時の協定を結んでいた。