【ワシントン共同】米農務省は18日、850万ドル(約12億3千万円)を投じ、年内に南部テキサス州で「ハエ工場」を建設すると発表した。家畜の傷口などに寄生する害虫ラセンウジバエの雄に放射線を当てて不妊にし、野に放つことで増殖を抑える狙い。週に最大3億匹生産する計画だ。
ラセンウジバエは牛や羊の傷口に卵を産み、かえった幼虫が家畜を傷つけるため、畜産業者にとって頭の痛い存在。メキシコ南部で昨年確認され、米国はメキシコから生きた牛や馬の輸入を停止した。
雌は3週間の生涯で一度しか交尾しないため、不妊にした雄を放つ対策が以前から取られている。同様の工場は中米パナマにもある。