取材に応じるチベット亡命政府のペンパ・ツェリン首相=18日、インド・ダラムサラ(共同)

 【ダラムサラ共同】インド北部ダラムサラにあるチベット亡命政府のペンパ・ツェリン首相は18日、共同通信と単独会見し、チベット仏教最高指導者ダライ・ラマ14世が90歳になる直前の7月2日に後継に関する声明を出すと明らかにした。後継者は14世と同じく、死去後に生まれ変わりを探す「輪廻転生」の伝統制度で選ばれる可能性があるとの見方を示した。

 ダライ・ラマを批判する中国が独自に後継者を立てると主張しており、ツェリン氏は「15世」選出の過程で中国側による妨害や中傷があるだろうと警戒。今後、双方の対立が深まるのは必至だ。

 ダライ・ラマは7月6日に90歳になる。かねて90歳になる頃に後継選出の方針を示すとの意向を表明していた。2〜4日にダラムサラで高僧らによる会議があり、初日にビデオメッセージを出すという。6日には祝賀行事が予定されている。

 ダライ・ラマは中国人民解放軍の進駐に反発するチベット人僧侶らの抵抗運動が起きた1959年のチベット動乱を機に亡命。89年にノーベル平和賞を受賞した。