ハシナ氏の厳罰を求め集まる学生ら=2024年8月、バングラデシュの首都ダッカ(ロイター=共同)

 【ニューデリー共同】バングラデシュの中央銀行が発行を予定する新紙幣に、昨年ハシナ政権を崩壊に追い込んだ学生デモを象徴した絵柄が印刷されることになった。デモの歴史的な評価が定まっていないとの声も上がり、議論を呼んでいる。

 中銀は1日、20タカ(約24円)、50タカ、千タカの3種類で、デザインを変えた新紙幣の発行を始めた。中銀関係者によると、今後さらに発行される新紙幣6種類のうち3種類に、デモのイメージや中心的な場所となったダッカ大などが印刷される見通しという。

 旧紙幣には「建国の父」とされ、1975年にクーデターで暗殺されたラーマン初代大統領の肖像が印刷されていたが、新紙幣では国会議事堂や寺院に変更された。ラーマン氏はデモで首相の座を追われたハシナ氏の父。社会からハシナ氏に関連するものを排除するとの暫定政権の意向が反映されたとみられている。

 ハシナ政権下で長く勤務した元政府職員のホサイン氏は「学生の行動はまだ歴史的な評価も定まっておらず拙速だ。デザイン変更は不要」と批判した。