日印両政府はインドのモディ首相が8月下旬にも来日し、石破茂首相と会談する方向で調整に入った。インド西部で建設中の高速鉄道に、JR東日本が開発を進める東北新幹線の新型車両「E10系」を採用することで合意する見通しだ。海洋進出を強める中国を念頭に、2008年に署名した「安全保障協力に関する共同宣言」の改定も検討している。複数の外交筋が21日、明らかにした。
モディ氏が来日すれば、先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)に招待された23年5月以来となる。今秋には米国とオーストラリアを加えた4カ国の協力枠組み「クアッド」の首脳会合がインドで開催される予定で、両首脳が意思疎通を深める狙いもある。
高速鉄道は、西部アーメダバードとムンバイ間の総延長約500キロを約2時間で結ぶ計画。日印協力を象徴する事業とされ、日本の新幹線方式を採用する。JR東は27年秋以降のE10系車両の完成と、30年度の営業運転開始を目指している。