太平洋戦争末期の沖縄戦の被害や平和に関する資料を展示する沖縄県内主要8施設の2024年度の入館者数は約78万人で、9年前の15年度と比べ約3割減ったことが21日、分かった。沖縄は23日、沖縄戦の組織的戦闘が終わったとされる「慰霊の日」を迎える。戦後80年で体験者が減少する中、戦争の記憶継承への懸念が高まる。8施設は発信を強化しようと25年度、連携事業を始める。
8施設は、女子学徒隊の被害を伝える「ひめゆり平和祈念資料館」(糸満市)や、学童疎開船の撃沈事件を紹介する「対馬丸記念館」(那覇市)など。共同通信が8施設の入館者数を集計した結果、24年度は計78万3627人で、コロナ禍よりは回復したものの比較可能なデータがある15年度の計109万1069人から約3割減っていた。
8施設の関係者は「リゾートホテル開発などが進み、観光客の訪問先が分散していることが要因の一つではないか」と分析する。
8施設は、戦争や平和への関心を高めてもらおうと、連携事業「沖縄・平和と人権博物館ネットワーク」を開始。7月6日にシンポジウムを開く。