メチル水銀を含む汚染された水を流した排水口(奥)を視察するイタイイタイ病の被害者団体の関係者ら=21日午後、新潟県阿賀町

 富山県の神通川流域で発生したイタイイタイ病の被害者団体などが21日、新潟県を訪れた。新潟水俣病被害者を支援する団体の案内で、メチル水銀を含む汚染された水を流した排水口や阿賀野川上流域を視察し、新潟水俣病の症状や発生地について理解を深めた。

 イタイイタイ病と新潟水俣病は共に四大公害病に数えられ、視察は新潟水俣病共闘会議の高野秀男幹事長(74)の案内で行われた。原因企業のレゾナック・ホールディングス(旧昭和電工)の鹿瀬工場に電力を供給していた発電所や工場が見える高台も巡り、参加者からは「工場に原因物質の除去施設はあったのか」「メチル水銀以外の物質は流れていたのか」といった質問が相次いだ。