自民党の野田聖子衆院議員の夫文信さん(57)が、自身を元暴力団員などと報じた週刊文春記事を巡り、警察庁幹部が文春側に虚偽の情報を漏えいしたとして、国に1100万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は23日、「漏えいは認められない」として請求を棄却した。
文信さん側は、暴力団に所属していた事実はなく、違法な情報漏えいでプライバシー権を侵害されたと主張。余多分宏聡裁判長は、警察庁が文信さんの前歴に関する情報を持っていた事実は認定できず、週刊文春が記事の根拠とした情報が同庁のデータベースによると裏付ける客観的証拠はないと判断した。
判決によると、週刊文春は2017〜21年に「元暴力団員の夫」「夫は元暴力団員」との見出しの記事を掲載。記事で名誉を毀損されたとして文信さんが発行元の文芸春秋に損害賠償を求めた別の訴訟で、文春側は文信さんが暴力団に所属していたことを示す資料として、データベースから出力したとされる書類を証拠提出していた。