「グローバル協力訓練枠組み」のワークショップで講演する水鳥真美氏=23日、台北(共同)

 【台北共同】日本や米国、台湾などが人材育成を目的に設置する「グローバル協力訓練枠組み」(GCTF)は23日、人道支援・災害救助をテーマにしたワークショップを台北で開いた。国連事務総長特別代表として国連防災機関(UNDRR)を率いた水鳥真美氏が講演し、民間部門を含めた社会全体で防災に取り組む必要性を訴えた。

 日本台湾交流協会台北事務所(片山和之代表)が主導して開催。台湾の頼清徳政権が有事や災害への対応を見据え「社会全体の強靱化」を重要政策に掲げる中で、災害対応をテーマに選んだ。

 水鳥氏は、2015年に採択された国際行動指針「仙台防災枠組」がうたう「予防」の重要性を強調。また気象災害の軽減を図る「早期警戒システム」の構築を例に挙げ「(通信やハイテクなどの)民間部門なしでは世界をカバーする効果的なシステムはできない」と説明した。

 今回は25日までの日程で、30カ国以上から専門家ら100人超が参加。台湾東部沖地震後の円滑な避難所設営で注目を集めた仏教系慈善団体「慈済基金会」も視察する。