蘇州日本人学校近くの日本料理店街。警戒のため警察のバイクが常時止められていた=19日、中国江蘇省蘇州(共同)

 【蘇州共同】中国江蘇省蘇州で日本人学校のスクールバスを待っていた日本人母子らが切り付けられ、中国人女性が死亡した事件から24日で1年。保護者の男性は「再び危険にさらされれば家族はすぐ帰国させる」と警戒心を解いていない。不安がくすぶる中、中国の日本人学校の在籍者は本年度、減少に転じた。

 海外子女教育振興財団などによると、中国本土にある日本人学校全11校の児童生徒数は、新型コロナウイルスの世界的大流行が深刻化した2020年度に急減。21年度からは回復基調だったが、25年度は前年度比10%超の減少となった。

 中国経済低迷の影響があるとされる一方、蘇州の事件を受け日本人駐在員が家族帯同を控えたことが要因と指摘する声が出ている。

 6月の平日午後、事件現場のバス停留所に蘇州日本人学校のスクールバスが停車し、複数の警備員がドア付近を囲んだ。児童は降車すると母親と足早に帰宅した。地元政府は登下校時以外も警戒に当たる。学校もバスに警備員1人を同乗させ、安全対策を強化した。