ひめゆりの塔で献花する石破首相=23日午後、沖縄県糸満市(代表撮影)

 沖縄県は23日、太平洋戦争末期の沖縄戦で組織的戦闘が終わったとされる「慰霊の日」を迎え、県民らが日米双方の死者20万人超を悼んだ。激戦地だった糸満市摩文仁の平和祈念公園では、恒久平和を誓う沖縄全戦没者追悼式が開かれ、戦後80年の節目に約4千人が参列した。今年は自民党議員の「歴史修正」発言があり、県民の間に根強い反発が残る。石破茂首相は追悼式参列後、旧日本軍に動員され命を落とした女子学徒隊を慰霊する「ひめゆりの塔」(同市)を訪れ、献花した。

 首相は献花後、「不戦の思いや戦争の悲惨さをもう一度、自分の胸に刻まねばならないという思いで来た。その思いはさらに強くなった」と記者団に述べた。

 ひめゆりの塔に関する展示説明を巡っては、自民党の西田昌司参院議員が5月、「歴史の書き換え」と主張し批判を招いていた。

 首相は、塔に隣接する「ひめゆり平和祈念資料館」も訪問。資料館によると慰霊の日に首相が来館するのは30年ぶり。普天間朝佳館長(65)によると、生存者の証言映像などを見たという。