甘みやうまみを感じる舌の細胞の数が夜よりも朝に多いことを、マウスを用いた実験で発見したと、関西医大(大阪府枚方市)などのチームが24日までに米科学誌に発表した。朝の食事はより少量でも満足感が得られる可能性があるといい、関西医大の松浦徹講師は「肥満の改善などに応用できる可能性がある」としている。
多くの動物では、一定のリズムに合わせて細胞の数が周期的に増減する。チームは細胞の入れ替わりが早い舌の細胞に着目し、入れ替わりによってどのような影響がでるかを調べた。
マウスの舌の表面組織から細胞を採取し、味を感じる細胞の数を解析。すると、甘みやうまみ、苦みを感じる「2型味細胞」の数は朝が夜よりも約1・5〜2倍多かった。一方、塩味や酸味を感じる細胞の数には大きな差はなかった。
朝と夜に甘みをつけた水と無味の水をマウスに与えて比較したところ、朝では甘い水を飲む量が増えた。逆に苦みをつけた水は飲む量が減る傾向があり、2型味細胞の数が味覚に影響を与えているとみられる。