23日、カタール・ドーハ上空を飛ぶミサイル(ゲッティ=共同)

 【エルサレム共同】日が暮れたばかりの夜空にオレンジ色の閃光が走り、爆発音が響いた。イランがカタールにある米軍基地をミサイルで報復攻撃した。首都ドーハではミサイルが迎撃されるたびに振動が伝わり、子どもは不安そうに悲鳴を上げた。「まさかカタールに飛んでくるとは」。住民は驚いた様子で共同通信の電話取材に応じた。

 午後7時半ごろ、ドーハの政府機関で働く男性イブラヒムさん(38)は友人と市場で買い物をしていた際、突然大きな爆発音を聞いた。空を見上げると、ミサイルとみられる光に、オレンジの閃光がぶつかる様子が見えた。「初めての光景だった。周囲もびっくりしていた」と振り返った。

 「最初は花火の音と思った」。グラフィックデザイナーの男性ムハンマドさん(40)はミサイルだと分かると、屋外に飛び出した。閃光と爆発音は20分以上続いた。米軍に核施設を攻撃されたイランの報復に理解を示すが「なぜイランとの関係が良好なカタールに向けミサイルを発射したのか。早く中東の混乱が収まってほしい」と訴えた。